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電子部品の適切な保管方法とは?品質維持のための対策と納品時の工夫2024.05.19

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電子部品の品質を維持し、製品の信頼性を確保するためには、適切な保管方法を選ぶことが不可欠です。

電子部品は繊細で、温度や湿度、静電気などの外的要因が部品に影響を与える可能性があり、これらを管理することが品質維持の鍵となります。

本記事では、電子部品の適切な保管方法のために必要な対策や部品が搭載された基板の納品時の工夫についてご紹介します。

電子部品の保管方法が悪いとどうなる?

電子部品の保管方法が悪いとどうなる?

電子部品は非常に繊細で外部からの影響を受けやすい特性があります。そのため、適切な保管方法が求められますが、電子部品に悪影響がある環境で保管した場合どのようなことが起こるのでしょうか。

酸素による劣化

電子部品は長期間酸素にさらされると、部品の表面に酸化皮膜が形成される可能性があり、これが部品の性能を劣化させる原因となります。

特に金属部品や接点部分などは酸化に敏感で、酸化が進行すると導電性が低下したり、信号伝達に支障をきたしたりする恐れがあります。

湿気による劣化

電子部品は湿気に敏感で、湿気が部品に浸入するとさまざまな問題を引き起こす可能性があります。

例えば、湿気が酸素と反応して酸性を帯びると、金属部品が腐食し始めます。そして、腐食によって部品の表面が傷むと導電性が低下し、回路の電気的なパフォーマンスが損なわれることになるのです。

湿気による劣化は、特に集積回路(IC)やトランジスタなどのデバイス、 LEDが影響を受けやすく性能が著しく低下する恐れがあります。

静電気による破損

電子部品の保管環境で静電気対策がとられていない場合、電子部品の破損を招く静電気が発生しやすくなります。

具体的には、静電気が発生しやすい素材で作られた保管容器を使用したり、静電気を放電させるための静電アースプレート、導電性マットの設置が適切でなかったりすると部品が静電気にさらされやすくなるでしょう。

特に、集積回路やトランジスタなどの微細な部品は静電気の影響を受けやすいため注意が必要です。

光や紫外線による劣化

電子部品を光や紫外線にさらされる場所で保管した場合、部品の表面に微小なクラックや変色が生じることがあります。

これにより、部品の外観が劣化するだけでなく、寿命が短くなる恐れも。また、プラスチック製の部品は紫外線に特に弱く分解されることがあり、部品の強度や耐久性低下につながるため紫外線対策を十分に考慮する必要があります。

電子部品の適切な保管方法

電子部品の適切な保管方法

電子部品を上記で解説したようなさまざまな劣化から防ぐためにはどのような対策をして保管すればよいのでしょうか。ここからは、電子部品の適切な保管方法についてお伝えします。

温度管理対策

電子部品を保管する上で重要なことの一つが、温度と湿度の管理です。適切な温度と湿度の環境を確保することで、部品の品質と性能を維持し、劣化や損傷を最小限に抑えることができます。

一般的な保管条件は次の通りです。

温度(5 ℃〜30 ℃):
高温下では部品が過熱し、性能が劣化する可能性があります。低温下でも、部品の材料が劣化するおそれがあります。したがって、部品を保管する環境は5 ℃〜30 ℃の常温範囲に収めることが重要です。

湿度(40%〜70%):
湿度が高すぎる環境で保管すると、部品や基板が錆びたり腐食したりする恐れがあります。一方、湿度が39%以下になると静電気が発生しやすくなり、部品に損傷を与える可能性があります。そのため、湿度は40%から70%の範囲に維持することが求められます。

ただし、半導体デバイスごとに推奨される保管条件が異なることがあります。そのため、部品のデータシートを参照し、メーカーが推奨する条件に準拠することが必要です。

静電気対策

静電気は電子部品に損傷を与える恐れがあるものです。そのため、部品を取り扱う際には、静電気を放電させるための適切な手順や導電性繊維が入った帯電防止の作業服、静電靴を着用しなければなりません。

保管場所も静電気の影響が少ない環境を選びます。一般的に、静電気は湿度が39%以下になると発生しやすくなる傾向にあります。そのため、静電気対策として湿度が保てるように加湿器を使用するなどして、現場や保管室の温度、湿度管理を徹底すると良いでしょう。

その他、静電気防止袋や導電性コンテナを使用することも、効果的な電子部品の保管方法です。

落下対策

部品が落下すると、部品内部のセラミック素子の割れの原因になります。セラミック素子が割れると、部品の性能が劣化したり、機能しなくなったりする可能性があるほか、割れた部分から湿気や汚れが侵入して部品の劣化を進める恐れもあります。

そのため安曇川電子工業では、部品が容易に落下しないよう、保管の際は収納ボックスの幅と棚の幅を合わせています。この収納棚は社内で制作しているのでサイズの調整を柔軟に行うことができます。

電子部品収納棚を、部品サイズや収納量に応じて社内で制作

防湿対策

特に電子部品を6か月から1年以上の長期保管を行う場合ですが、密閉容器に入れたり真空パックしたりして保管し防湿対策をすると良いでしょう。

こうすることで外部からの湿気を遮断し、部品の保管環境を安定させることができます。さらに、 防湿剤(シリカゲルなど)を密閉容器内に追加することでより効果的に湿気対策をとることができます。

なお、安曇川電子工業では、部品を長期保管した際には使用前に端子の変色や錆の発生がないか、はんだ付け性に問題がないかを確認しています。

 
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電子部品がついた基板:assemblyの保管(納品)方法

電子部品が繊細で保管方法に配慮が必要なものであることをお伝えしましたが、その電子部品を搭載した基板「アッセンブリー(assembly)」も保管や納品方法には細心の注意が必要です。

ここからは安曇川電子工業がどのようにアッセンブリーを扱いお客様の元へお届けしているかをお伝えします。

緩衝材(帯電防止)で梱包

アッセンブリーは電子部品が搭載された基板ですが、基板自体も比較的繊細な素材でできています。そのため、アッセンブリーを梱包する際には緩衝材を使用することが一般的です。

緩衝材を使うことで、輸送中や保管中にアッセンブリーが衝撃や振動から保護され、損傷を最小限に抑えることができます。

その際使用する緩衝材は、下記の画像のような色付きエアーキャップを使用しています。

電子部品がついた基板:緩衝材(帯電防止)で梱包  電子部品がついた基板:緩衝材(帯電防止)で梱包

この色付きエアーキャップは静電気が帯電しない帯電防止加工が施されているもので、このエアーキャップを用いれば衝撃だけでなく静電気からも基板を守ることができるのです。

適切な梱包

お客様への納品方法には、個装梱包と集合梱包箱の2つの選択肢があります。個装梱包は、1台ずつ個別に梱包され、完成品としてご利用いただく場合に適しています。

一方、集合梱包箱は、複数台を1つのダンボールに仕切りを組んで梱包し、効率性とコストを重視した形態で納品させていただいております。

段ボール集合梱包3 段ボール集合梱包2

基板のサイズにあったものを使用するため運搬時の揺れや衝突が防げ、さらにお客様がすぐ基板を取り出し作業をされる場合にも適しています。

専用の通函箱

電子部品がついた基板:専用の通函箱 電子部品がついた基板:専用の通函箱

安曇川電子工業では、基板のサイズに合わせて内部のレイアウトを自由に変更できる専用の通函箱を使用しております。新たに梱包箱を作る必要がないほか、静電気が発生しても外部に流れていくように箱自体にカーボンが練り込まれており、優れた静電気対策が施されています。

こちらは、一定の台数や大きさがある基板に適しており、効率的な輸送を可能にします。

電子部品の正しい保管方法のための教育

安曇川電子工業では、製品品質を確保するために、電子部品保管時にも重要な静電気対策に重点を置いています。

静電気は電子部品に損傷を与え、製品の性能や信頼性に悪影響を及ぼす可能性があるため、従業員に対する静電気対策の教育は不可欠であると考えます。

そこで、新入社員や中途採用者に対しては、入社時および定期的に静電気に関する教育プログラムを実施。静電気の原因や発生メカニズム、静電気が製品に与える影響、静電気対策の方法などについて学び、従業員が実践的な知識を得られるようにしています。

このようにして安曇川電子工業では、静電気による製品の損傷や不良品の発生を最小限に抑え、顧客に高品質な製品を提供しているのです。

 
 

プリント基板実装、電気機械器具組立の安曇川電子工業|関西・近畿

プリント基板実装、電気機械器具組立の安曇川電子工業

 
安曇川(あどがわ)電子工業です。プリント基板・部品調達〜基板実装、電気機械器具組立まで、
関西・近畿一拠点で一貫生産体制を整えています。

 
製造工程を当社にお任せいただくことで、お客さまの有限資源(ヒト、モノ、カネ、トキ)を、
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プリント基板実装に関して37年(1987年〜)の実績があります。
高精度・高品質な製品と技術ノウハウを提供する安曇川電子工業株式会社へぜひお問合せください。

 
 

 
 

 
 
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