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部品の実装品質を左右するメタルマスク。穴の大きさ、厚さで、はんだ量を調整2024.02.17

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― この記事は、2023.7.10に投稿した内容を編集したものです ―

 
こんにちは。安曇川(あどがわ)電子工業です。
ブログをご覧いただきまして、ありがとうございます。

 
この記事ではプリント基板の表面実装で使用するメタルマスクについて、
仕上がり品質を左右する使用方法、保管時の注意点を、安曇川電子工業の事例を交えてご紹介します。

 

 

プリント基板は、表面実装には欠かせない治具

メタルマスクは、プリント基板の表面実装時に、
はんだペーストを基板上の指定位置に印刷するための治具です。

 

 
メタルマスクのおかげで、はんだを指定位置にズレなく印刷できます。
部品実装の前後工程の手間と時間が大幅に短縮できるため、プリント基板の表面実装には欠かせません。

 

メタルマスクが、電子部品の表面実装時にどのように使われているか

プリント基板のしあがり品質を左右するメタルマスク。
そのメタルマスクが、電子部品の表面実装時にどのように使われているか、
役割や扱い方の注意点を紹介します。

 
プリント基板には、抵抗器やコンデンサ、トランジスタなどの部品が実装されています。
これらの部品は、手はんだ付けで基板に実装することが主流でした。

 

 
基板を組み込む電子機器や電化製品のサイズが現在よりも大きく、
それにともない組み込む基板が複数枚あったり、部品自体が大きかったりしたため、
手はんだ付けでの部品実装が可能でした。

 
安曇川電子工業は、コンデンサ関係の電子部品を1984年から製造しています。
女性が写るのは、手はんだ付けの様子です。左の窓際にも数人、この部屋だけで10人以上が働いています。
日本の輸出産業はこの時期、右肩上がり。受注数、対応品種が増え、企業として大きく飛躍した時代です。

 

 
電子機器や電化製品は現在、小型化が進んでいます。
小型化された製品に組み込まれる基板や、基板に実装する部品もより小さく、
より高機能であることが求められるようになりました。

 
0603、0402といった1mm以下の電子部品が、基板に数百を超えて実装されるようになると
手はんだ付けでは到底追いつきません。

 

 
はんだは、手はんだ付け作業から印刷する方法に変わりました。
このはんだを印刷する(基板にはんだを載せる)工程で必要なのがメタルマスクです。

 

 
はんだの印刷方法は、版画と同じ要領です。
メタルマスクに穴を開けますが、穴の位置は部品を実装したい箇所です。
その穴にはんだを流し込むことで、はんだを「印刷」します。

はんだの印刷が済めばメタルマスクを外します。
すると、電子部品を実装する箇所にだけはんだが残ります。

 
メタルマスクを用いることで、はんだ印刷がズレなく行われているのです。

 
はんだの印刷後は、チップマウンターによって電子部品をはんだ上に配置します。

 

 

はんだペーストの量は、穴の大きさや厚さで調整

リフロー炉で基板に熱を加えると、はんだが溶けて部品が基板に馴染み始めます。
溶けたはんだをリフロー炉出口で冷却すれば、部品が固定され、プリント基板の表面実装が完了です。

 
このようにメタルマスクを用いたはんだ印刷で、生産効率や歩留まり率が向上しています。
メタルマスクは、電化製品の小型化と高性能化のためにはなくてはならないものです。

 
メタルマスクは主にステンレス製で、レーザー加工によって、穴があけられています。
穴は基板のパターンと同じ位置にあけられています。

 
バリがあるなどして穴の精度が悪いと、はんだ印刷の精度が下がります。
すると部品と基板の接触不良が起こり、電気検査や画像検査で不具合として検出されます。

 
いったん、はんだ付けされた部品は手作業でないと修正できず、
時間や手間がかかり、工数が増えてしまいます。

 
また、メタルマスクの穴に問題がなくても、
はんだペーストが多過ぎたり、逆に少な過ぎたりすることで仕上がりに不具合が生じることがあります。

 

 
これにはメタルマスクの厚さが大きく影響します。
適切なはんだペーストの量にするために、使用する部品サイズによってメタルマスクの厚みを概ね
100~150μmで調整すると最適なはんだペーストの量になります。

 
他にも、開口寸法をあえて拡大したり縮小したりと調整することで、
基板に塗布されるはんだペースト量を微調整することもあります。

 
このように、メタルマスクの品質はプリント基板の品質に直結するほか、
高密度なプリント基板には、わずかなはんだのズレや浮きが回路全体の致命的な欠陥となるのです。

 

メタルマスクを保管する際の注意点

メタルマスクは、直射日光のあたる場所や高温の元で保管すると、
メタルマスクと周囲についている枠を接合している接着剤の効果が弱まってしまいます。
温度や湿度を管理した場所で保管しなければなりません。

 
メタルマスクは、基本的に何度も使用できますが、
テンションが弱くなったり傷つけてしまったりした場合は、再度製作する必要があります。

 
安曇川電子工業は、お客様のメタルマスク製作・保管が可能です。
再生産をご予定の場合は、適切な温湿度管理の元で保管します。

 
メタルマスク自体は薄いですが、メタルマスクの枠の厚さは30mm が一般的です。

 

 
メタルマスクの枚数が増えてくると、収納棚の保管にスペースをとることになるため、
安曇川電子工業での保管をおすすめします。

 

メタルマスク製造もプリント基板部品実装の安曇川電子工業へ

安曇川電子工業では、これまで多くのメタルマスク製造依頼を受けておりますが、
基本的に、設計から編集、製造まで対応させて頂きます。

 
メタルマスクを製造する際に必要なガーバーデータがなくても、生基板からでも作成が可能です。
メタルマスクの製造が上手くいかず、はんだの版抜けなどの不良が生じている場合もぜひご相談ください。

 
 

プリント基板実装、電気機械器具組立の安曇川電子工業|関西・近畿

 
安曇川(あどがわ)電子工業です。プリント基板・部品調達〜基板実装、電気機械器具組立まで、
関西・近畿一拠点で一貫生産体制を整えています。

 
製造工程を当社にお任せいただくことで、お客さまの有限資源(ヒト、モノ、カネ、トキ)を、
企画や開発、設計などの中核能力に集中していただけます。

 
基板の製造、量産時の組付けや検査工程の改善 、コーティング(防湿処理)のご相談も、
関西、近畿圏はもちろん、全国各地からお受けします。

 
プリント基板実装に関して25年の実績があります。
高精度・高品質な製品と技術ノウハウを提供する安曇川電子工業株式会社へぜひお問合せください。

 

 

 
 

 
 

 

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