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― この記事は、2022.7.12 に投稿した内容を編集したものです ―
こんにちは。安曇川(あどがわ)電子工業です。
ブログをご覧いただきまして、ありがとうございます。
この記事では、はんだ溶剤について、種類と用途を
安曇川電子工業で使っているはんだを交えて紹介します。
はんだは、錫(すず)と銅や銀、ニッケル、ゲルマニウムなどの合金です。
錫と、そのほかに含有される金属、形状で分類され、当社は用途に応じてはんだを選んでいます。
目次
品番 | メーカー |
S3X58-M500C-5 | 弘輝 |
NP303-COSMO-ZQ-C | ニホンゲンマ |
品番 | メーカー |
SN100C | 日本スペリア社 |
SN100Ce(銅成分調整用) | 日本スペリア社 |
品番 | メーカー |
M705E | 千住金属工業 |
M708EM(銅成分調整用) | 千住金属工業 |
品番 | メーカー |
SN100C(030) | 日本スペリア社 |
品番 | メーカー |
NEO F3 M705 | 千住金属工業 |
HVP F4 M705 | 千住金属工業 |
品番 | メーカー |
EC-19S-10 | タムラ製作所 |
はんだとは、金属などの接合に用いる錫(すず)を主成分とした合金のことです。
この合金を熱で溶かし、プリント基板に電子部品を固定したり、金属同士の接合に使います。
この工程が、はんだ付けです。
はんだは、物理的に基板と部品を接合するだけではなく、電気的に接合することが役目です。
はんだを通して基板や部品に安定して電気が届き、電子機器が作動します。
裏を返せば、はんだ付けの品質が低いと、基板や部品に安定して電気が届かない、
つまり、電子機器が作動しないということです。
はんだは、錫の含有率で金属用と電気用に大別されます。
当社は、プリント基板と電子部品を接合するために電気用のはんだを用いています。
はんだは、鉛が入った「共晶はんだ」が従来は使われていました。
しかし、有害物質の鉛を避ける環境保全への機運が高まり、
RoHS指令が2006年に、EUで施行されたことで鉛入りはんだの使用が制限されることに。
その結果、鉛フリー(鉛の入っていない)のはんだが、現在では主流です。
特別な指定が無い限り、鉛入りはんだは使用しません。
では、なぜ鉛入りはんだが好んで使われてきたのでしょうか。
鉛入りはんだと、鉛フリーはんだの特徴から紐解きます。
鉛入りはんだの融点は約183℃です。
金属としては融点が低く、はんだ付けしやすいのが特徴です。
融点が低く作業性がよいことに加え、はんだが基板に馴染みやすい、
「濡れ性」が高いことも選ばれてきた理由の一つです。
「濡れ性」とは作業者間の造語です。
熱したはんだごてをはんだに当てて溶かし、
こてをすっと引くと水滴のように綺麗に仕上がる様子を指します。
鉛入りはんだは、はんだ付け後の表面に光沢があり、
はんだが山の裾のように滑らかに広がるので電子部品の接合不備が発生しにくく、
作業者にとって扱いやすいものでした。
鉛フリーはんだは、錫:96.5%、銀:3.0%、銅:0.5% の成分で構成されるものが主流であり、
融点は約217℃と、鉛入りはんだより約30℃高いです。
鉛フリーはんだを利用する利点は環境面への配慮です。
国内外向けの電子機器や電化製品など、大半の製品でメーカーの環境要請をクリアできます。
鉛入りはんだ(共晶はんだ)の規制は現在、国内では設けられてはいませんが、
環境志向や輸出制限もあり、鉛フリーはんだを採用している企業が多くなっています。
しかし、鉛フリーはんだの融点が、鉛入りはんだより高いということは、
作業性が落ちる、作業時間の長時間化につながる恐れがあります。
また、はんだを溶かすために高温で基板を熱すれば、
基板に載った熱に弱い部品が破損することも想定できます。
はんだ付けをする部品だけでなく、周囲の部品の取扱いにも注意が必要です。
また、濡れ性も鉛入りはんだと比較すると悪くなります。
ランド(基板の銅箔部分)をはんだが綺麗に覆わないという現象も起きます。
作業性の高低以外でも、鉛フリーはんだが鉛入りはんだと比べると高価であるため、
実装費用に転嫁せざるをえないというデメリットも持ち合わせています。
なお、実装費用を抑えるために錫、銅はんだ(銀なし)もよく使われます。
鉛入りはんだは、世界の環境問題への機運の高まりとともに
多くの電子部品、電化製品で避けられています。
鉛入りはんだの使用分野は限定的ですが、
その種類と用途を知っておくことは、不要なトラブルを避けるためにも重要です。
共晶はんだは、錫:63%、鉛:37%が含まれているはんだで、
鉛入りはんだの中では主流で汎用性が高いのが特徴です。
錫と鉛の割合が、融点を低くできる要因で、作業性の向上につながります。
手はんだ付けでも作業しやすい点が広く利用されていた理由です。
また、共晶はんだは濡れ性がよく、
金属同士を隙間なく密着させて接続することができます。
鉛の含有量が大きいほど融点が高くなります。
高温はんだは、鉛の含有量を増やして共晶はんだより融点を高くしたもので、
錫、もしくは鉛をベースに銀、アンチモン、インジウムなどが配合されています。
高温はんだは、電子部品内部やリードのはんだ付けなど、
高温の環境で溶け出しては困る箇所に使用されます。
低温はんだは、共晶はんだより融点が低く、使用する部品の耐熱温度が低い場合に使用します。
成分は、錫または鉛をベースに、カドニウム、ビスマス、インジウムを含みます。
低温はんだは融点が低い分、電子部品や基板を損傷することなく部品を取り外すことができますが、
その分、接合強度が弱いため電子部品で使用されることはありません。
市販される家電の大半が現在、鉛フリーはんだを用いています。
環境や人体に配慮された、鉛フリーはんだの種類と用途をご紹介します。
鉛フリー低温はんだは、錫にビスマス(蒼鉛/そうえん)を配合したはんだで、融点は約138~170℃。
熱に弱い電子部品にも使えるのが特徴です。
また鉛フリーはんだと比べて濡れ性も高く、
基板の表面実装時に基板のランド全体にはんだが上手く濡れ広がる傾向にあります。
鉛フリーステンレス用はんだは、ステンレス接合用や補修に用いられるものです。
ステンレスは、さびにくい鋼として知られています。
これは、ステンレスの表面を覆っている酸化皮膜のおかげです。
酸化皮膜はメリトでもありますが、こと、はんだ付けにかんしては、
はんだ付けしにくく、高温で短時間ではんだ付け作業をおこなわなければなりません。
鉛フリーステンレス用はんだは、構成する素材は鉛フリーはんだと同様ですが、
ステンレス表面の薄い酸化膜を除去するために、フラックス(はんだ付け促進剤)に強酸性を用います
はんだは基板に部品を実装するにあたって欠かせない材料です。
基板を組み込む製品、実装方法により採用するはんだの種類、形状を選んでいます。
部品の熱耐性等を考慮して適材適所のはんだを使用することが大切です。
ここでは、実装用途別にはんだの種類をご紹介します。
はんだペーストは、金属粉とフラックスのペースト状の複合材料です。
チップマウンターを使った表面実装に使用します。
はんだペーストは、板金加工や電気工事など、
比較的大きな面積やワーク(材料や部品)のはんだ付け作業の際に使用されています。
メタルマスク(治具)を用いることで、はんだの形が崩れない印刷性があります。
また、実装した部品をしっかりと保持する粘着性に優れている点も特徴です。
糸はんだは、はんだごてを使い電子部品をはんだ付けする際に使用します。
はんだごてで糸はんだを溶かし、部品を基板に実装します。
細い金属の線材で、中にフラックス(はんだ付け促進剤)が入っています。
棒はんだは、フロー半田槽で用います。棒はんだを溶融させたはんだ槽で、
挿入された部品の端子と基板のランドをはんだ付けする工法で使用します。
糸はんだと比較して、はんだ表面にできる細かいクラック(割れ)の発生を減らし、
リードとランド間にできるはんだの形状も、手はんだ付けに比べて早くきれいに仕上がります。
品番 | メーカー |
S3X58-M500C-5 | 弘輝 |
NP303-COSMO-ZQ-C | ニホンゲンマ |
品番 | メーカー |
SN100C | 日本スペリア社 |
SN100Ce(銅成分調整用) | 日本スペリア社 |
品番 | メーカー |
M705E | 千住金属工業 |
M708EM(銅成分調整用) | 千住金属工業 |
品番 | メーカー |
SN100C(030) | 日本スペリア社 |
品番 | メーカー |
NEO F3 M705 | 千住金属工業 |
HVP F4 M705 | 千住金属工業 |
品番 | メーカー |
EC-19S-10 | タムラ製作所 |
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