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電子回路の配線と配線の接合や、配線の延長時に必要となる技術が「はんだ付け」です。適した道具を揃えれば誰でもできるのが配線のはんだ付けですが、その手順の中には注意すべき点もいくつかあります。
今回は、配線時に必要なはんだ付けの基本技術についてご紹介します。
目次
はんだで配線を繋ぐとは、配線と配線、もしくは接合したい対象をはんだにより接合させることです。はんだによって固定された箇所は、接合前と同程度の導電性が確保されることになります。
しかし、基本的には、はんだによる接合は人の手作業で行われるものであり、一箇所の作業時間が長いことや、外部からの衝撃や熱などに弱いこと、長期的な視点では信頼度が低いことなどがデメリットとして挙げられます。
はんだで配線を繋ぐ手順は理解していても、工程ごとのポイントをおさえていなければ仕上がりが悪いものになってしまいます。
ここでは、プリント基板の表面実装でもはんだ付けを行っている安曇川電子工業が、配線を繋ぐ際の手順とポイントを紹介していきます。
①はんだごて先がはんだで濡れている状態にする
はんだごての先端がはんだで覆われていないと、はんだをあてても溶けません。特にはんだが新品の場合は、はんだこての先端が汚れてしまう前に薄いはんだで覆っておきましょう。
②配線の先端を剥ぐ
配線の先端から5mm程度の位置にカッターで切り込みを入れ、被覆しているビニル層を剥ぎます。ビニル層の内側に芯線があるため、芯線が露出したらそれらをひねって一本の太い線のような形状にします。こうすることで、はんだがまとまって接着しやすくなります。
③はんだ付けする対象箇所を温める
はんだ付けする対象箇所(配線や基板など)にはんだごてを2秒程度あてて、温めます。はんだ付けする箇所を事前に温めることで、その箇所においてはんだがより溶けやすくなるのです。
④はんだを溶かして流し込む
③で温めた箇所に、フラックス入りのはんだを付けて溶かします。溶けたはんだが芯線と対象物にしっかりと流れているか確認します。はんだごてをあててから、はんだが流れるまで2秒程度です。
⑤はんだごてを離して固定させる
固定箇所に適量のはんだがながれたら、はんだを離します。ずっとはんだごてをあてている状態だと、はんだが融解するばかりで固定しなくなります。はんだごてをさっと離したら、息を吹きかけて急速に冷却させると良いでしょう。
<お気軽にお問い合わせください>
はんだで配線を繋ぐ際の注意点について、はんだ付け前と作業中、作業後の3つのシーンに分けて解説をします。
はんだ付けは、はんだを高温で溶融させて、金属と金属とを接合させます。その際に生じる煙は鉛やスズが主成分で人体には有害物質であるため、室内を適切に換気することが大切です。
また、DIYなど個人ではんだ付けをする際は、レーザーや切断機などの工場で作業するような大掛かりな道具は必要ありませんが、「ヤニいりはんだ、はんだごて、プリント基板、配線、はんだごて置き台、こて先温度計、ニッパーなど」が必要となります。
はんだ付け中にはんだが足りなくなったり、こて置き台がなかったりすると作業を中断することになり、はんだごてによる火災の恐れもあるため、必要道具は事前に準備することが大切です。
はんだの実装性を高めるためにも、はんだとはんだごてをできる限り動かさないことが大切です。はんだの溶融時にはんだを動かしすぎてしまうと、はんだごての熱が適切に伝わらず溶けない恐れがあるほか、はんだ付けの箇所が広範囲に変形してしまうことも起こり得ます。
そのほか、はんだの溶融時に発生する煙対策として、メガネやマスク、手袋を着用し、安全性を高めましょう。特にはんだごての先端はとても高温であるため、手や顔に触れないように注意が必要です。
作業後は、はんだごてを丁寧に清掃しましょう。はんだごてにゴミやほこり、酸化物が付着した状態で次に作業をすると、はんだに隙間や変形が生まれ、強度不足などの施工不良が発生しやすくなります。
ここまで配線をはんだで繋ぐ手順や留意点などをご紹介しましたが、基本的にプリント基板の表面実装でこの作業を行うことはありません。
一般的には、プリント基板の試作時に設計に欠陥がある場合の追加工事や改造工事を行う際に用いる作業方法です。そして、量産基板作成時には、その正しい配線が盛り込まれた基板に修正していきます。
安曇川電子工業では、センサー基板の完成品組立時に、はんだ付けによって配線を行います。弊社には、はんだ付けの熟練度が高いメンバーがたくさんおりますので、お気軽にご相談くださいませ。
安曇川電子工業はプリント基板の表面実装 、手挿入部品のフロー半田、ユニット組立を専門に行う会社です。
また、基板設計者の方が製図した基板の機能を維持しつつ、量産時に不具合やコストアップを招かないよう変更提案を行うVA・VE提案を得意とするほか、基板実装だけでなく、ユニット・制御機器のOEMメーカーとしての実績も多数保有しています。
など、
プリント基板実装に関して25年の実績があり、高精度・高品質な製品と技術ノウハウを提供する安曇川電子工業株式会社へお問合せください。