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プリント基板に使うフラックスの役割とは?はんだ付け促進の仕組みについて2023.08.05

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プリント基板に使うフラックスの役割とは?はんだ付け促進の仕組みについて

プリント基板の部品実装でははんだ付けを行いますが、そのはんだ付けを促進させるのがフラックスです。
フラックスがなければ、基板と部品が確実に接合されず、電子機器の安定した動作が保証されなくなってしまいます。
今回は、フラックスとはどのような役割を果たすものなのか、また形状や種類などについて解説します。

プリント基板に使用するフラックスとは

プリント基板に部品を表面実装する際にはんだを用いますが、そのはんだ付けを促進するのが物質を融解しやすくするフラックスです。フラックスは、一般的に天然樹脂である「松ヤニ」が主剤として配合されています。

そして、フラックスは大抵の場合はんだの中に入っていて、部品を実装する部分にはんだを溶かすとフラックスも一緒に流れ出し、基板と部品が電気的に接合することができるのです。

基板に使うフラックスの役割とは

基板に使うフラックスの役割とは

基板に部品を実装する際、フラックスがはんだ付けにおいてどのような役割を果たしているかをご紹介します。

清浄化作用

プリント基板にはんだ付けするのは、ランドと呼ばれる銅が露出した部分です。

通常、金属の表面には酸化物という目には見えない微細な元素が付着しますが、ランドも同様に酸化物があり、これが基板と部品との接合を妨げてしまいます。

そこで、酸化物除去ために用いられるのがフラックスです。フラックスをランド表面に塗ったり、はんだごてで熱せられた糸はんだから流れ出たフラックスが付着したりすることで、フラックスの活性剤が酸化物を除去し、はんだによる接合が促進されるようになります。

酸化防止作用

はんだの主成分は錫や鉛などの金属であるため、はんだ付け後に空気に触れると徐々に酸化していきます。しかし、錆びが進み腐食してしまうと、電子機器の作動を保証することができなくなってしまいます。

そこで、酸化を防止する役割があるのがフラックスです。固まったはんだの表面や部品の表面を被膜して、酸化と腐食を防ぐ効果があります。

フラックスがあることによって、はんだ付けが促進され、はんだ付け後の電子機器の安定した動きも守られるのです。

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基板に実装するフラックスの形状

プリント基板の表面実装時に使用するはんだは、主に糸はんだとはんだペーストの2種類に形状が分けられますが、それぞれにどのようにフラックスが入っているのかをご紹介します。

糸はんだ

基板に実装するフラックスの形状

糸はんだは、はんだごてを使い電子部品をはんだ付けする際に使用します。見た目は細い金属の線材で、フラックスはその中心に芯のように入っています。

フラックス含有量は糸はんだ全体に対して、2〜4%ほどです。

はんだペースト

はんだペーストは、はんだ粉とペースト状フラックスとの複合材料です。
基板を製造して表面実装部品を基板のパッドに接続するときに使用するはんだの一種で、マウンターを使った表面実装に使用します。

はんだ粉やフラックスのほか、はんだ粉末がフラックスから分離するのを防ぐためのチキソトロピー剤が添加されています。

フラックスの種類

プリント基板に使用されるフラックスとは、「塩化亜鉛」「塩化アンモニウム」「精製水(アルコールなど)」を多く含んだ液体のことを指します。

メーカーによってその配合が変わるだけで主成分にほぼ違いはありません。

ここでは、一般的に販売されている

  • 液状(ハケタイプ)
  • 液状(点滴タイプ)
  • クリーム

の、3つのフラックスの形状についてご紹介します。

液状(ハケタイプ)

液状(ハケタイプ)は、小瓶の中に液状のフラックスが入っていて、キャップ側にハケが付いているものです。
キャップを開ければ簡単にはんだ付けをしたい部分に塗布することができ、プリント基板でもよく利用されます。

液状(点滴タイプ)

こちらも液状のフラックスですが、キャップをあけてフラックス液を目薬のように滴下するタイプです。
一度に広い範囲を塗布する必要がある際に用いられますが、プリント基板への利用はそう多くはありません。

クリーム

クリームタイプのフラックスも販売されています。使用する際は、細い棒の先などでとって塗布していきます。
プリント基板用では、フラックスとはんだが最初から混ざっているクリームはんだを利用することが一般的です。

基板の表面実装でフラックスを扱う際の注意点

基板の表面実装でフラックスを扱う際の注意点

フラックスは、人体によくない成分が含まれていることが多いので、はんだ付け作業中に発生するフラックスのガスを吸い込まないよう注意が必要です。

また、アルコール系のフラックスには引火性があるため、火気にも注意しなければなりません。

そのほか、はんだ付け作業中にフラックスが飛散する恐れもあります。個人で工作などをされる場合にも保護メガネを着用してください。

先ほどご紹介したクリームタイプのフラックスは、口が大きい容器に入っていることが一般的です。その分空気に触れて劣化しやすいため、使用が終わればすぐに蓋をすることを心がけましょう。また、はんだペーストのフラックスは気化していくので、開封後は早めに使いきることをおすすめします。

プリント基板の部品実装は安曇川電子工業へ

公式ソリューションサイトTOPより

安曇川電子工業はプリント基板の表面実装 、手挿入部品のフローはんだ、ユニット組立を専門に行う会社です。さまざまな種類の部品を扱ってきた実績と、部品を最適に保管できる環境を整えています。

基板設計者の方が製図した基板の機能を維持しつつ、量産時に不具合やコストアップを招かないよう変更提案を行うVA・VE提案を得意とするほか、基板実装だけでなく、ユニット・制御機器のOEMメーカーとしての実績も多数保有しています。

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プリント基板実装に関して25年の実績があり、高精度・高品質な製品と技術ノウハウを提供する安曇川電子工業株式会社へお問合せください。

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カテゴリ

コラム , 基板実装

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