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プリント基板に用いられるコンデンサは、電源の代わりにも使われる電子回路の基本となる部品です。
身の回りの家電製品はもちろん、スマートフォンやパソコンやカメラといった精密機械が安定した電圧で作動するのはコンデンサのおかげなのです。
そこで今回は、コンデンサがプリント基板においてどのような役割を果たしているのかをまとめると共に、コンデンサの種類についてもご紹介します。
目次
プリント基板に使われるコンデンサとは、回路内で電気を蓄えたり放電したりする電子部品のことです。電源そのものとして用いられることもある部品で、プリント基板には欠かせない重要な役割を果たします。
「コンデンサ」という言葉はドイツ語で、日本語ではその役割から「蓄電器」とも呼ばれてきました。
コンデンサには、電気を蓄える特徴のほか、電圧の安定やノイズの除去、その他、直流電流は流さず交流電流を通すといった働きがあります。
1枚の基板に実装される部品数は電子機器の機能によって変わりますが、実装部品の内、全体の30%から40%をコンデンサが占めていると考えられます。
プリント基板にコンデンサがあることによって、電子機器の電気を効率的に使うことができるため、あらゆる用途で必要とされる電子部品です。
コンデンサの構造は、絶縁体を2枚の金属板で挟んだ状態です。真ん中の絶縁体は電気を通さない物質ですが、誘電体として誘電率が高い物質であるポリエチレン、ポリプロピレン、セラミックなどが採用されています。
外側の2枚の金属板は導体なので電気を流し、電極としての役割を持ちます。コンデンサに電圧を加えることで、2枚の金属はそれぞれが+と−の電極となり、絶縁体を挟んで磁石のように互いを引き合うようになります。
やがて、電圧を加え続けると、絶縁体には流れ出ることがない電荷が金属板にいっぱいになり、新たに電荷が流れ込む余地がなくなってきます。
この状態になると、電圧をかけるのを止めても、金属板同士がプラスとマイナスで引き合っているため電荷は金属板に残ります。これが電気を蓄えているという状態です。
金属板に電荷を蓄えることのできる容量を「静電容量」と言いますが、静電容量は、絶縁体の性質によって変わるほか、金属板の面積が大きく、また、金属板同士の距離が短いほど大きくなります。
コンデンサの形状は、近年の電子機器の小型化に伴って、コイルのように巻いた状態でケースに封入したものや、金属板と絶縁体を交互に何層も重ねた形状のものなども開発されています。
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ここからは、プリント基板に用いられるコンデンサの種類についてご紹介します。
セラミックコンデンサとは、絶縁体に誘電率の高いセラミックを利用したコンデンサのことです。
セラミックによって誘電率が異なるため、温度変化による耐性や容量は変わってきますが、熱に強い傾向があり、小型で高周波の回路で採用されることが多い種類です。
スマートフォンには約500個、ノートパソコンやタブレット端末には約800個ものセラミックコンデンサが使われていて、電子機器の小型化、軽量化はセラミックコンデンサなくしては成し得なかったでしょう。
電解コンデンサは、一般的なコンデンサのように2枚の金属板の間にシート状の誘電体を用いるのではなく、2枚の金属板に化学反応を起こし、金属表面に形成した酸化皮膜を誘電体とします。
絶縁体がない分、電極間の距離が近くなり、静電容量を大きくすることが可能です。
ただし、大容量化が図れる一方、電圧をかけすぎたり、プラスマイナスを逆向きに電気が流れるようなトラブルがあったりすると、破裂や発熱といった基板の破損に繋がる現象が発生するので注意が必要です。
フィルムコンデンサとは、誘電体にプラスチックフィルムを使ったものです。プラスチックフィルムは、ポリエステルやスチロール、ポリプロピレンといったものが採用され、素材によって耐熱性や耐寒性、絶縁抵抗などが変わってきます。
一般的に温度特性が良い傾向にあり、高精度なため、オーディオ回路に用いられることが多いコンデンサです。
可変コンデンサとは、名前の通り、静電容量を変化させることができるコンデンサを指します。
絶縁体を2枚の金属板が挟んでいる点はこれまでご紹介したコンデンサと同様ですが、それぞれの金属板がツマミでずらせるように設計されており、板の重なり合う面積が変わることで容量も変化させるという仕組みです。
従来は、アマチュア無線やラジオのチューニングなどに用いられましたが、今では機器内の選局処理はデジタル化され、可変コンデンサが使われることはほとんどなくなってしまいました。
今では、一部の電子工作向けに製造されているのみとなっています。
コンデンサをプリント基板にはんだ付けしている最中や、はんだ付けした後に基板が曲がってしまうと、コンデンサに割れが発生する恐れがあります。
そのため、プリント基板のたわみに対して、極力ストレスが加わらないようにコンデンサを配置する必要があります。
上に示したように、ストレスが加わる方向と平行にコンデンサを配置すると、たわみをまともに受けてしまうことになります。
そこで、コンデンサをストレスの作用する方向と垂直に配置します。
このように配置することで、コンデンサに伝わる基板のたわみを少なくし、コンデンサの割れを防ぐことができるようになります。
安曇川電子工業はプリント基板の表面実装 、手挿入部品のフローはんだ、ユニット組立を専門に行う会社です。さまざまな種類の部品を扱ってきた実績と、部品を最適に保管できる環境を整えています。
基板設計者の方が製図した基板の機能を維持しつつ、量産時に不具合やコストアップを招かないよう変更提案を行うVA・VE提案を得意とするほか、基板実装だけでなく、ユニット・制御機器のOEMメーカーとしての実績も多数保有しています。
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