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プリント基板は、私達の暮らしの中で必需品となっている電気機器に使用され、それぞれが用途に応じて導電性・耐熱性・電気的特性など違う性質をもっています。
そこで今回は、プリント基板にはどのような種類があるのか、ベースの材料や材質、回路層ごとなどで分類してご紹介します。
また、それぞれの特性を持ったプリント基板がどのような用途で使われているか、あらゆる種類のプリント基板実装を手がける安曇川電子工業が解説いたします。
目次
まず、プリント基板のベースとなる材料によって分類すると大きく3つに分けることができます。
リジッド基板は柔軟性はなく、固い絶縁体基材を用いたものです。
部品を実装する際に、設備に基板を直接固定することができるため、実装が容易にできるという特徴があります。
フレキシブル基板は、薄く柔軟性のある絶縁体基材を用いたものです。折り曲げたり形を変えたりすることができるので、スマートフォンなど複雑な構造の電気機器に使用されることが多いです。
部品を実装する際には、基板を固定するパレットが必要になりイニシャル費が高くなってしまい、量産には向きません。しかし、省スペースで軽量化が実現でき自由度が高いのは優秀な特徴で、幅広く採用されています。
リジッドフレキシブル基板は、名前の通りリジッド基板とフレキシブル基板の特徴を合わせた複合基板で、リジッド基板の部品実装のしやすさと、フレキシブル基板の曲げることができる特徴など、メリットを併せもっています。
リジッドフレキシブル基板は、設計・製造ともに多少コストがかかりますが、リジッド基板やフレキシブル基板だけでは解決できなかった問題を処理してくれる利点があります。
一般的にプリント基板というと「リジッド基板」を指していることが多いです。そこで、リジッド基板を材質で分けるとどのような種類があるのかをご紹介します。
紙基材にフェノール樹脂を含浸させた材料で製造したプリント基板を、紙フェノール基板と言います。ベーク基板、ベークライト基板とも呼ばれ、古くから使用されている基板の材料です。
価格が安く加工しやすいため個人ユーザーに支持されており、電子工作や低価格な電子玩具などによく使われます。
一方、
といったデメリットも持っています。
紙基材にエポキシ樹脂を含侵させた材料で製造したプリント基板で、紙フェノール基板と、これからご紹介するガラスエポキシ基板の中間的な性質をもっています。
紙フェノール基板よりも、耐熱性や吸湿性は優れており、高電圧回路や食器洗い機などの吸湿性を求められる回路に使用されることが多くあります。
ガラエポキシ基板は、ガラス繊維製の布を重ねたものに、エポキシ樹脂を含浸させ製造したものです。略してガラエポとも呼ばれます。
最も広く使用され、両面基板以上の多層基板に利用されています。電気的特性、機械的特性ともに優れ、高信頼性や高周波が求められるパソコンやデジカメ、ICカードなどに使われます。
ただ、専用の工具や機械がないと加工ができないため加工性が良いとは言えず、紙フェノール基板と比べるとコストも2〜3倍程度になります。
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続いては、プリント基板を回路層によって分類した場合、どのような種類で分けられるかご紹介します。
片面基板とは、片面のみに配線パターンが形成され電子部品が実装されたものです。1層基板とも呼ばれています。
配線を1つの面にしか施すことができないので、交差するような複雑な回路を構成することはできません。しかし、その分コストを抑え安く量産することができます。
片面基板は、小型にする必要がない商品や白物家電で利用されています。
両面基板は、両面に配線パターンが形成された基板で、2層基板とも呼ばれます。
片面基板と違って、両面に配線パターンを形成して電子部品を実装することができ、両面の配線で立体交差が可能になるため、より細かく密度の高い配線を施すことができます。
両面基板は小型化が図れるため、多くの電子機器で採用されています。
多層基板は、ミルフィーユの様に絶縁体とパターンを積み重ねた基板で4層以上の基板をこのように呼びます。
内部にも配線する層を形成することができるため、コンピュータなど、多くの配線を必要とする電子機器に利用されます。
ビルドアップ基板とは、コアとなる多層プリント基板の上に絶縁層をつくり、その上に導体を1層ずつ積み上げ、多層化した基板です。
基板で層を重ねる際、通常ドリルで穴を開け下の層と接続しますが、ビルドアップ基板ではレーザーで穴を開けます。レーザーで開けた穴はドリルのものと比べて小さくなるので穴による占有スペースが小さくなり、その分配線エリアを増やすことができ、パターン設計がしやすくなります。
ビルドアップ基板は、プリント基板に必要な配線能力向上を可能とするためニーズは高く、パソコン、ゲーム、カーナビなど、小型で多機能な電化製品に利用されています。
安曇川電子工業では、現状では両面基板(90%)、片面基板(5%)、多層基板(4%)、フレキシブル基板(1%)の割合でプリント基板を扱っておりますが、長年積み重ねてきた技術、知識、経験を活かし、最新の機械設備であらゆる種類のプリント基板に実装が可能です。
プリント基板に部品実装するための半田を印刷するクリーム半田の工程や、フロー半田で半田付けする部品の固定を目的としたチップボンド工程では、生産ロットやサイズごとに特化した複数のラインを常設しています。
試作や小ロットの場合は、多様性に対応するため1種類の実装機を使用したラインを、中ロットや大ロットは効率を重視した2種類の実装機を用いたラインがあります。
安曇川電子工業では機械に取り付ける「カセット」の多さが特徴です。
カセットは、チップ部品実装工程で、実装する部品をセットするための道具です。ロット数に応じてその部品専用のカセットを用意し、切り替え時間の短縮と部品の間違いによる不良を防止しています。
それぞれのラインの長所を最大限に生かせる一貫管理を行っています。
リフロー炉を終えたプリント基板の品質チェックを行うのが検査工程です。安曇川電子工業では、高精度の画像検査装置を複数常設しています。
機械による確実な検知と、人の目による目視確認による「二重チェック」によって不良を見逃さず、お客様に良品をお届けします。
安曇川電子工業はプリント基板の実装 、手挿入部品のフロー半田、ユニット組立を専門に行う会社です。
基板設計者の方が製図した基板の機能を維持しつつ、量産時に不具合やコストアップを招かないよう変更提案を行うVA・VE提案を得意とするほか、基板実装だけでなく、ユニット・制御機器のOEMメーカーとしての実績も多数保有しています。
など、
プリント基板実装に関して25年の実績があり、高精度・高品質な製品と技術ノウハウを提供する安曇川電子工業株式会社へお問合せください。