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リジッド基板は、ガラスや紙にエポキシ樹脂などを含浸させたものがベースとなった硬い性質のプリント基板です。構造が比較的単純であり表面実装の際も扱いやすく、また安価であることからプリント基板の中で最も広く利用されています。
今回は、リジッド基板について、材質や扱う際の注意点、またリジッド基板を利用するとどのようなメリットが得られるのかなどについてご紹介します。
目次
リジッド基板とは、基板の中で最も一般的な基板として広く用いられているもので、「基板」と聞いて多くの人が想像する緑色の基板もリジッド基板の一つです。
リジッド基板の「rigid」とは「硬い」を意味し、柔軟性のない絶縁体が基材となっており、部品を実装する際に、設備に基板を直接固定することができるため、実装が容易にできるという特徴があります。
リジッド基板は、家電や産業機械、OA機器などで用いられ、幅広い分野で機器の安定した動作を支えています。
リジッド基板の材質には、主に「紙」と「ガラス布」の二種類があります。それぞれの材質に、「エポキシ樹脂」や「フェノール樹脂」などの樹脂を組み合わせることでリジッド基板は形成されます。
そこで、リジッド基板の材質と種類について、利用頻度の高いものをいくつかご紹介します。
紙フェノール基板は、紙基材にフェノール樹脂を含浸させた材料で製造したリジッド基板です。一般的に片面基板で使われることが多く、リジッド基板の中でも切断や穴開けにおいて加工性が良いという特徴があります。
ただ、耐熱性や耐久性が低いことや、吸湿性も劣るという面も持ち合わせており、熱や水分の影響があまりない、白物家電、家庭用電話機、ゲーム機などに採用されています。
紙基材にエポキシ樹脂を含侵させた材料で製造したリジッド基板を紙エポキシ基板と言います。
紙フェノール基板よりも耐熱性や吸湿性に優れているため、高電圧回路や食器洗い機などの吸湿性を求められる回路に用いられます。
ガラエポキシ基板は、ガラス繊維製の布を重ねたものにエポキシ樹脂を含浸させ製造したリジッド基板で、多くの人が「基板」と聞いて想像する基板はこのガラスエポキシ基板のことです。
現在、電子機器などで最も多く使用されており、両面基板以上の多層基板のほとんどがガラスエポキシ基板です。
パソコンやデジカメ、ICカード、産業機器など、耐久性や高信頼性、高周波が求められる機器に使われます。
ガラスコンポジット基板とは、ガラス布とガラス不織布を混ぜ合わせたものが基材であるコンポジット基板(複数のものをを組み合わせた基板)の一つで、それにエポキシ樹脂を含侵させた材質がベースのリジッド基板です。
コンポジット基板の中でメインとして使われているリジッド基板で、両面基板として用いられることが一般的です。
ガラスコンポジット基板はガラスエポキシ基板より柔軟性があり、配線間のショートに強いという特徴がありますが、機械的特性や寸法安定性、吸湿性はガラスエポキシ基板に劣ります。主に、家電製品やAV機器、産業機器、アミューズメント機械などに利用されています
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リジッド基板の基材は硬いため、強度が高く部品実装装置での位置決めや自動搬送がしやすいというメリットがあります。
例えば、リジッド基板とは異なり柔軟性のあるフレキシブル基板の場合、パレットなどの治具にのせなければならず、治具の制作コストがかかり作業量も増えてしまいます。
安価で取り扱いが容易であるリジッド基板は幅広い分野で選ばれており、プリント基板の表面実装を専門に扱う当社、安曇川電子工業でも、扱う基板の99.9%はリジッド基板であるほどです。
また、リジッド基板の厚さは一般的に1mm~1.6mmとされ、これ程の厚みがあれば大きな部品を載せることができて大電流にも対応できます。
リジッド基板は、限られた面積の中で複雑な配線パターンを形成できて大電流にも耐えられる電気特性、機械特性に優れた基板として電子機器の安定的な作動を支えています。
リジッド基板は、使用される材質などの違いによって、耐熱温度や吸湿性が異なってきます。
安価な材質のリジッド基板を使用すればコストは下げられるかもしれませんが、使用用途に適さず電子機器が作動しなくなったり、時には燃焼事故が起きたりという事態が発生するという恐れもあります。
そのため、メーカーごとのリジッド基板の耐熱温度や耐用年数を比較し、使用する電子機器に最適な材質のリジッド基板を選択するようにしましょう。
また、リジッド基板は湿度に弱いため、表面実装時の扱い方や保管方法にも注意が必要です。
安曇川電子工業では、リジッド基板などのプリント基板や資材を保管する湿度管理室があり、湿度が40%以下になるよう常に管理をしています。さらに湿度に弱いフレキシブル基板などは湿度1〜2%のドライボックス内にて保管するなど、徹底した管理体制をとっています。
また、24時間フル稼働の除湿室で生基板や実装済み基板を保管して、基板の吸湿を抑え、誘電率、絶縁抵抗、耐圧の劣化を抑制するようにしています。
安曇川電子工業はプリント基板の表面実装 、手挿入部品のフロー半田、ユニット組立を専門に行う会社です。
基板設計者の方が製図した基板の機能を維持しつつ、量産時に不具合やコストアップを招かないよう変更提案を行うVA・VE提案を得意とするほか、基板実装だけでなく、ユニット・制御機器のOEMメーカーとしての実績も多数保有しています。
など、
プリント基板実装に関して25年の実績があり、高精度・高品質な製品と技術ノウハウを提供する安曇川電子工業株式会社へお問合せください。