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ブログ担当Mです。今回は部品の湿度管理についてご紹介します。
湿度といえばパッと思い浮かべるのは温度差による結露などですが、
プリント基板はその性質上「リフロー炉を通る」といった温度差が激しい工程を通過します。
そのため水分や湿気は熱で膨張し温度差によるさまざまな不良が発生します。
目次
まず立地についてご説明します。
弊社の所在地である滋賀県高島市安曇川町は琵琶湖に近く、
一年を通して比較的湿度の高いうるおった土地柄となっています。
自然に囲まれ緑豊かな気持ちのよい土地ではありますが、
その湿気がもとで基板・電子部品に様々な不具合を発生させる事がありました。
以下がその一例です。
基板は構造として①基材②銅箔③レジスト(保護膜)でできています。
その中の②銅箔は金属のため、高温多湿の場所に長期間置いておくとサビが発生します。
(十円玉が薄黒くなるのと同じ現象です)
部品も同様で、金属部分がサビてくるとはんだのなじみが悪くなり、
半田不良等が出やすくなってしまいます。
基板層の間に水分が入り込み、
その後はんだ槽などで高温にさらされると層内で水分が蒸発し膨張します。
水蒸気は逃げ場を求めて層を押し上げてしまい、
層間剥離やミーズリング(熱が原因で起こる剥離)といった基板不良となってしまいます。
こうなってしまうと基板は修理不能で、廃棄するしかありません。
電子部品の主要内部は、主に樹脂やコーティング剤によって保護されています。
しかし完全ではなく、基板と同じように水分が内部へ入り込む事があります。
内部に水分が入ってしまうとリフロー炉やフローはんだ槽で高温に晒された際、
部品内で水分が膨張して『スキマ』を作ったり、ひどい場合はパッケージを突き破って
部品に亀裂が生じてしまいます。
このような水分による部品の破裂は水蒸気爆発(水蒸気破裂)とも呼ばれています。
上記のような不良をなくす為、
弊社では基板や部品の状態を良好に保つ湿度管理を徹底しています。
以下にその一部をご紹介します。
資材を保管する湿度管理室は湿度が40%以下になるよう常時管理されており、
部品が湿気に晒されるのを防止しています。
補完品例:プリント基板(実装前、実装後)、ICチップ部品など
部品の中にはお客様からの預かり品も含まれています。
部品の中でも更に湿度に弱い部品は、 湿度1~2%で常時管理された
ドライボックス内に保管されています。
補完品例:半導体(QFP、LEDなど)、プリント基板(フレキシブル基板、FPC基板など)
湿度に弱い部品は恒温乾燥機を使用してベーキング処理(加熱処理)を行い、
乾燥させる工程を経て使用しています。
弊社ではDX302以外にも恒温乾燥機が数台常設されています。
関連項目:その他のサービス一覧
その他の設備や管理方法に興味を持たれた方、詳しい情報をお求めの方は、
お気軽にお見積・お問い合わせください。
上記の品質管理は小ロット・試作・量産に関わらず徹底し、
お客様にご満足頂けるプリント基板製品を提供いたします。
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