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電子機器製造受託(EMS)とは何?メリットとデメリットを詳しく解説2024.03.11

電子機器製造受託(EMS)とは何?メリットとデメリットを詳しく

昨今、エレクトロニクスの分野で新しいアウトソーシングの形であるEMS(電子機器製造受託サービス)の需要が高まっていますが、どのような業務形態なのでしょうか。

今回はEMSのメリットやデメリットをまとめながら、EMSにおいて安曇川電子が得意とするポイントをご紹介いたします。

電子機器製造受託(EMS)とは

まずはEMSの基礎知識についてご紹介いたします。

EMSとは”Electronics Manufacturing Service”の頭文字を取った略称で、電子機器の受託製造のサービスやそのサービスを提供する企業を指します。

このEMSのサービスは多岐にわたります。

これまでの製造に特化した「下請け」とは異なり、部材調達から企画、設計、製造の工程を一貫して行うケースが一般的です。

また、自社の経営ノウハウを生かして、企画・設計・マーケティングに注力するため、ものづくりの機能のみをアウトソーシングするケースもあります。

このEMSというビジネスモデルを利用することで、発注者側は製造ラインやノウハウが無くても電子機器の製造販売が可能に。また、受託者側も自社の生産設備の稼働率を向上させることができるため、お互いにWin-Winの関係にあると言えます。

電子機器製造受託|発注先のメリット

電子機器製造受託|発注先のメリット

まず、EMSを依頼する発注者側のメリットをあげます。

イニシャルコストの削減

まず一番のメリットは、商品の開発時に生じる人件費や設備費などのイニシャルコストを大きく削減できる点です。

具体的には、専門の人材や生産ラインや製造ノウハウなどは受託企業側が有しているため、発注者側はそれらを自社で確保する必要がなく、プロジェクトの経費を大幅に減らすことができます。

ランニングコストの削減

次に、施設や設備の維持管理・更新などに必要なランニングコストが大きく削減できる点も大きなメリットです。

製造する電子機器の種類や規模にもよりますが、製造ラインの機械や温湿度を適切に保つための空調設備機械の電気代だけでも製造施設を運営していく場合には毎月大きな負担になります。

しかし、製造業務をアウトソーシングすることで、毎月かかる電気代や機械の点検・修繕・更新コストの心配が不要となります。

自社の強みを生かした得意分野に注力できる

EMSの契約内容にもよりますが、電子機器製品の製造のみをアウトソーシングすることで、企画・マーケティング・設計など自社の強みを生かした分野に注力でき、オリジナルの商品を生産しやすくなる点もメリットとしてあげられます。

また、電子機器製品の企画から製造まで一貫して業務委託をすることも可能であり、自社の経営戦略によってEMSのスキームを変えることができる点もメリットです。

電子機器製造受託|受託先のメリット

電子機器製造受託|受託先のメリット

次に、依頼される受託者側のメリットをご紹介します。

自社の生産設備の稼働率を上げることができる

受託者側の大きなメリットは、発注者側(外部企業)の製造を請け負うことで、自社の製造ラインを稼働させることができ、決まった売上を確保することが可能な点です。

また、自社製造ラインの稼働率を上げることは雇用の安定化にもつながるため、会社が成長していくうえで必要不可欠なポイントとなります。

新しい技術や知識ストックができる

次に大きなメリットとしてあげられるのが、EMS委託企業(リードユーザー、キーバイヤー)からの業務を遂行するプロセスで、専門的な優れた技術や知識、経営ノウハウなどの学習機会が存在する点です。

また、技術や知識、ノウハウを得ながら電子機器分野でのモノづくりの実績ができるため、受託者側には報酬以上に大きなメリットがあると言えます。

市場開拓コストやリスクが回避できる

電子機器分野の市場開拓や販売チャネルの維持コストを抑え、売上の規模を重視して、キャッシュフロー(CF)を向上させることができる点も大きなメリットとしてあげられます。短期的な視点でも資金を確実に獲得でき、かつ営業における失注リスクも回避できるでしょう。

 
<お気軽にお問い合わせください>

電子機器製造受託|発注先のデメリット

続いて、発注者側のデメリットを整理します。

現場指示が行いにくい

EMSでは製造を委託するケースが多く、予め契約でコストや工期が決まっていることが一般的です。よって、一旦製造ラインに乗ってしまうと自身が現場にいないため都度の指示が行いにくい点がデメリットとしてあげられます。

また、契約内容にもよりますが、企画から製造までの全てをアウトソーシングする場合、定例会議や節目での報告の場がない場合、意図しない成果品となるケースもあるため、委託先の担当者とは密に連携を取る必要があります。

トラブル発生時の対応に時間がかかる

EMSでの製造プロセスは発注者側は見えないことが多く、設計や製造段階でのミスに気付くことがなかなかできません。

そのため、生産ライン上などでのトラブルの発生の報告を受けにくく、対策も立てにくいことがデメリットとしてあげられます。

責任の所在をめぐるトラブルが発生しやすい

モノづくりのプロセスにおいてトラブルはつきものですが、EMSにおいてはプロジェクト早期の段階で発注者の手を離れることが多いため、トラブルが発生した際も分析が行いにくく、責任の所在が分からなくなるケースもあります。

自社の製造ラインであれば、不良品に対して原因を追究し対策をたて再実行するPDCAサイクルを実行しやすいですが、一度製造委託を行うとそれも確認しにくくなるため、何がどう悪いのかという見直しが困難と言えます。

電子機器製造受託|受託先のデメリット

次に受託者側のデメリットをあげていきます。

トラブル発生時の対応に時間がかかる

発注者側でも同様に言えるデメリットですが、製造の現場に発注者側の責任者が常駐しているケースが少ないため、製造時のトラブル(品質不良、不慮の設備故障など)にすぐ対応できず、判断・指示が遅れる点があげられます。

品質管理の体制構築が必要

同じ製品ばかりをEMSの受託者として請けるわけではないため、生産する製品が変わる場合には留意点も変わり、品質管理を行うポイントや体制をその都度見直しする必要があります。

また、納期によっては生産ラインを24時間稼働しているケースもあるため、発注者側の担当者と連携を密に取る必要があります。

安曇川電子に電子機器製造を受託するメリット

安曇川電子に電子機器製造を受託するメリット

最後に、安曇川電子に電子機器製造を受託するメリットをご説明します。

万全の生産・品質管理体制

安曇川電子では、社内にEMS委託(発注)企業の出張所を設置しています。

出張所には、委託(発注)企業が常駐しており、弊社の従業員は日々EMS委託(発注)企業の従業員と連携を取りながら、機種の切り替え時、新製品の生産開始時、本格量産時などの製造プロセスの節目に生産・品質管理を行っています。

きめ細やかな顧客対応とサービス

弊社では、お客様の幅広いニーズに答えられるよう、プロセス別に以下の対応を行わせていただいています。

  • 基板・部品調達時:在庫数を確保し、部品不足による納期遅延を回避
  • 試作時:試作品1台から、短納期の生産にも対応
  • 基板実装:SMT(表面実装)で0402サイズ対応、マウンター5ラインやLサイズ(510mmx460mm)基板に対応
  • はんだ付け時:手はんだ、自動はんだ、ポイントディップはんだ付け装置に対応可
  • コーティング時:ポイント型自動塗布機設置、0402サイズや部品間隔1.5mmに対応可
  • 検査時:動作試験、信頼性試験、通電検査(インサーキット、テスタ)実施
  • 組立時:電装品、BOX組立、小型から大型組立対応可
  • 出荷時:出荷検査に内部監査制度を導入
  • 保守時:トレーサビリティ対応、部品修理・代替部品選定実施

高品質な商品・サービスの提供

弊社では、基板関連事業において「ISO9001」「KES認証」を取得し、高品質な商品を提供しております。

EMSの受託企業として、独自の内部監査制度を導入し、高品質な商品やサービスをご提供できるよう万全の態勢で取り組んでおります。

  • KES環境マネジメントシステム(STEP2)認証取得(2004年)
  • ULからの視察を受け入れ(2007年~、UL認証部品取扱いメーカーの協力会社として)
  • ISO9001:2015更新(2017年)

また、品質に対する外部認証機関からの評価は、お取引をこれから始めようとされるお客さまの安心材料、お客さまの社内への説明材料としてご利用いただいています。

多様な顧客ニーズに対応できる生産体制

安曇川電子工業の基板実装サービスは、試作から多品種小ロット生産に対応した多様な顧客ニーズに対応できる生産体制です。また、資材調達から完成品の組立まで弊社の自社工場(滋賀県工場)で一貫生産が可能です。

そして、お客さまご自身の目で、生産体制、品質への取り組みをご覧いただくために、工場見学を随時受け付けております。

新工場が2023年に竣工し、これまでお取引のある企業様や新たに取引見込みの企業様が毎月、工場視察に来られています。

 
 

プリント基板実装、電気機械器具組立の安曇川電子工業|関西・近畿

プリント基板実装、電気機械器具組立の安曇川電子工業

 
安曇川(あどがわ)電子工業です。プリント基板・部品調達〜基板実装、電気機械器具組立まで、
関西・近畿一拠点で一貫生産体制を整えています。

 
製造工程を当社にお任せいただくことで、お客さまの有限資源(ヒト、モノ、カネ、トキ)を、
企画や開発、設計などの中核能力に集中していただけます。

 
基板の製造、量産時の組付けや検査工程の改善 、コーティング(防湿処理)のご相談も、
関西、近畿圏はもちろん、全国各地からお受けします。

 
プリント基板実装に関して37年(1987年〜)の実績があります。
高精度・高品質な製品と技術ノウハウを提供する安曇川電子工業株式会社へぜひお問合せください。

 
 

 
 

 
 
改善事例が多数掲載の技術ハンドブックを制作

 
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